爛漫と咲き誇った桜花も花吹雪となって散り、五月の青空に鯉のぼりが泳ぐ季節となりました。会員諸氏におかれても稽古に最適の日々を迎えられたことと存じます。 本年は和道流創流九十周年、全国大会は六十回、また第九回国際大会と記念すべき行事が重なりました。さらに偶然とはいえ、役員改選の年ともなり、新たに清新の気に満ちた新役員が加わりました。就中二人の女性理事と監事の三氏には、女性の目による新しい視点からの提案を期待する次第です。 本年一月には田久保忠衛名誉会長が長逝されました。毎年全国大会の場で、国際情勢から日本という国の進むべき方向や、武道人としての覚悟の据え方を諄々と説くその英姿は、永く会員の記憶に留まり続けることでしょう。 三月から本部道場日曜稽古の一環として、柔術の稽古が本格的に始りました。これは三代宗家・最高師範の不退転の御決意によるものです。和道流の全体像は巨大で、その全容を体得理解するには様々な困難が待ち受けているわけですが、柔術の根幹を理解することによって、和道流独特の体捌への目が開かれるので、具眼の士の参加をお待ちしております。
