明けましておめでとうございます。会員諸兄姉におかれては、清新な春の風を体感しておられることと拝察します。 本年は和道流創流90周年であり、全国大会は60回という節目の年でもあります。更に9回目に当たる国際大会も併せて行われる、近年にない記念すべき年となりました。コロナウィルスによる活動制限を余儀なくされた数年間の鬱屈を解消して、既に大いに稽古に励まれているであろう会員諸氏にとって、千載一遇の機会が巡ってきたのです。 全国大会は競技の優勝を目指すだけのものではありません。日頃の錬磨を披露し、明日の日の向上を不断に模索する、修行の一道程に他ならない場だからです。「己を尽す」とはこの謂いであって、「人事を尽くして天命を待つ」のではなく、「人事尽くる所これ則ち命」と心得、稽古に励みましょう。『葉隠』という書物に「端的只今の一念のほかは是なく候。一念一念と重ねて一生なり」とあります。「今」を大事に生きることが明日のわが身の向上につながるのではないでしょうか。 本年も技術講習会の更なる充実について、具体的には術理と技法の体得を十分に図るべき計画がなされようとしています。求めよ、さらば与えられん。 本年の精進を期待しております。