令和8年8月29、30の両日、東京都足立区綾瀬の東京武道館で開催された全国大会は、恙なく終了した。開催に尽力された大会役員、実行委員、労を惜しまず力を尽された係員に感謝する。 何よりも大会を盛り上げたのは、己を尽して奮闘した選手諸君であった。日頃の錬磨を十分発揮して結果につながった者、武運拙く結果を残せなかった者、それぞれの思いは悲喜こもごもであったとしても、この日この場所で己を尽した経験は貴重である。これをしも一期一会と言うのである。そしてこの経験が修行上の一里程として後に懐かしく回想されることがあったとしたら、「以て瞑すべし」と言えるのである。 大会運営の観点から言えば、和道流会員による形審判の技術が向上したことの効果が見え始めたのが、大きな成果である。最高師範の御決断によって、途切れなく開催される研修会・講習会での、和道流の術理に従った形の解釈と実技指導が、漸く実を結び始めたことを喜びたい。しかしまだ先は長い。研修会・講習会に参加している会員と、参加できない会員との力量に違いが出始めているのである。形を正しく遣うと言うのは、和道流の術理を体現した形を遣うと言うことでなければならない。その術理の上に基本組手の体捌きがあり、ひいては自由組手の攻防につながるのである。武技である以上、実効性は必須である。きれいに見せると言うだけでは武術ではない。和道流の修道体系は多岐にわたるが、術理に則った体の運用が根幹にあることを、改めて確認したいものである。熟練の部、特に組手については、目標は遥かに遠いところにあることを自覚して稽古に励まなければならないだろう。 最後に、御多忙の中御来駕を賜った来賓の方々に、厚く御礼を申し上げる。